vol.2 walk out to winter or not
君とぼくの、混沌とした現代を生き抜くための、冬とモノクロの音楽世界。
2021年。今年は『特別な冬』と誰かが言った。でもそのスペシャルなウインターには心躍るヴァケイションは伴わない。悔しいけれど仕方ない、今年に限って(と思いたい)。でも、僕らの心はいつだって冬へと歩き出す。変わらないものは、抑えきれない逸る気持ち。
冬にたしなむ、季節を謳歌するための、モノクロでテクニカラーな61枚。
Malcolm Mclaren
/ Paris (1994)
冬のある日。彼がコラージュした限りなくインチキでジャジーな”魅惑のPARIS”に、ふと行ってみたくなる。
(明山真吾)
Stephen Duffy
/ they called him tintin (1998)
寒い夜道では何故かダンサブルで少しゴージャスなポップスが聴きたくなる。後にLilac Timeを作る人だとは思えないけれど。(後藤祐也)
大江慎也
/ PECULIAR(1989)
ニューウェーヴ色の強いアルバム。"Get Happy"の心象風景は生々しく寒々しく胸が掻きむしられる。
(nee)
Ennio Morricone
/ OST Il Grande Silenzio (1968)
雪景色の異色マカロニウェスタン。キリリと冷気の漂うタイトル曲の美しさはさすがマエストロ・モリコーネ。
(山内章子)
Thom Bell
/ Ready or Not (2020)
フィラデルフィア名アレンジャーのいい仕事集。熱すぎずクールすぎないソウル&ポップはソウル初心者にも◎。
(山内章子)
The Clovers・Petersfield
/ SPLIT (2020)
どちらのバンドも切なさ全開。コートのポケットに手を突っ込み木枯らしの中を歩くモッズ女子が目に浮かぶ。
(446)
Malcolm Mclaren
/ Paris(1994)
ロンドンのシーンを彩った伊達男が、少年時代に薫陶を受けたフランス文化へ原点回帰。ドヌーヴ、アルディなどのミューズを招きパリでレコーディング。憧れのグレコのために書き、ついに彼女に歌われることのなかった恋歌や、マイルス、ゲンスブールへの憧憬も随所に。1993年冬に仕上げられた、大人のためのアルバム。
(nee)
細海魚
/ HOPE (2014)
寒い冬。凍える指先。朝も夜も、真夜中も。いつか通った道は、雪に閉ざされ、じっと耐える。記憶のなかに眠るあの風景。まだ若く、自由に、夢を見ていた若き日。いつしか朝を迎えても、まだ、夢の続きをみてるよう。そんなことを思い出してる。まだ春は先。
(高田博之)
SHACK
/ ZILCH (1988)
冬のある日。もし何処かへ歩き出すのであれば、そのときのBGMはこんな瑞々しく青い音楽が相応しいと思う。
(明山真吾)
コバルト
/ drawing no.6 (2004)
Elliott Smith的な冷たい冬の夜道を往く。その果てに見つけた定食屋の灯のような、彼自身の人柄を思わせる暖かさ。
(後藤祐也)
V.A. / BORDER - A TRIBUTE TO MOTOHARU SANO(1996)
ハルフロムアポロ'69がクールに歌う、NYの街角の光景。b-flowerは「約束の橋」をカヴァー。
(nee)
Roger Nichols and Paul Williams
/ We've Only Just Begun (2012)
ポールウィリアムスとロジャーニコルス作詞作曲は鉄板ポップス。ちょっと暑苦しいボーカルも冬には暖かいね。
(山内章子)
The Pains Of Being Pure At Heart
/ Higher Than The Stars (2009)
2010年代は間違いなく彼らの時代であった。そしてその記憶は決して消えることはない。
(高田博之)
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