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vol.2 walk out to winter or not

君とぼくの、混沌とした現代を生き抜くための、冬とモノクロの音楽世界。

2021年。今年は『特別な冬』と誰かが言った。でもそのスペシャルなウインターには心躍るヴァケイションは伴わない。悔しいけれど仕方ない、今年に限って(と思いたい)。でも、僕らの心はいつだって冬へと歩き出す。変わらないものは、抑えきれない逸る気持ち。

​冬にたしなむ、季節を謳歌するための、モノクロでテクニカラーな61枚。

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Malcolm Mclaren
/ Paris (1994)

冬のある日。彼がコラージュした限りなくインチキでジャジーな”魅惑のPARIS”に、ふと行ってみたくなる。

(明山真吾)

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Stephen Duffy
/ they called him tintin (1998)

寒い夜道では何故かダンサブルで少しゴージャスなポップスが聴きたくなる。後にLilac Timeを作る人だとは思えないけれど。(後藤祐也)

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Virginia Astley
/ Hope in a Darkened Heart(1986)

"Tree Top Club"を聴いていると目の前に広がる、子供時代ついに体験することのなかった銀世界。

(nee)
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Young Marble Giants
/ Colossal Youth (1980)

アルバムタイトルをWeblio翻訳してみると“途方もない青春期”。ポストパンクに相応しい?!

(八野英史)

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The Loft
/ Winter! (1989)

冬っていったらこれでしょ。80年代クリエイションの勇ましさが冬空に響く。ただひたすら突き進んでたあの頃。

(山内章子)

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Hi, How Are You?
/ ?LDK (2014)

自分内No.1冬ソング「バンホーテン」収録。こたつの温かさが愛おしい、ミドル80s臭漂う4畳半ポップ。

(446)

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Allo Darlin'  We Come From The Same Place.jpg

Allo Darlin'
/ We Come From The Same Place (2014)

2010年代。彼らが残した3枚のアルバムはどれも希望に満ち溢れたものであった。モノトーンのジャケットがキュート。

(高田博之)
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Everything But The Girl
/ Love Not Money (1985)

音楽は自由だ。変化も進化も恐れるものはない。遠い冬の日、煌めくギターと共に、僕らは。

(高田博之)
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Ian McCulloch
/ Candleland (1989)

バニーメンの魂を受け継いだ89年ソロ作。研ぎ澄まされたカッティングエッジの先端を滑るように歌うマックの美しさ。

(高田博之)
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Paul McCartney
/ McCartney III (2020)

ロックダウンの奇跡。天才ミュージャンの本領とはこういう時に発揮されるという素晴らしき例。

(高田博之)
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Working Week
/ Working Nights (1985)

80年代は洒落た音楽の宝庫。ポップスの魔法がまだリアルに効力を発揮する輝かしい年代。故に彼らの存在が際立つ。

(高田博之)

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よしだたくろう  今はまだ人生を語らず.jpg

よしだたくろう
/ 今はまだ人生を語らず (1974)

たくろうさん最高傑作。2021年の今になっても「ペニーレーンでバーボン」が外されているのは日本ロック界の大きな損失。

(高田博之)
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佐野元春 with The Heartland  Cafe Bohemia.jpg

佐野元春 with The Heartland
/ Cafe Bohemia (1986)

冷たい夜にさよなら。40年経った今でも佐野元春は僕らの味方。Tonight's gonna be alright。

(高田博之)
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藤原ヒロシ  SLUMBERS 2.jpg

藤原ヒロシ
/ SLUMBERS 2 (2020)

冬のある日。今現在と90’s期の彼の作風が絶妙にコンパイルされた新作を聴く。近年のサカナクションとの親密具合はズルいねえ、と思うし、彼の歌声は正直好みが分かれるだろうけど、ここ数年に渡るポップ・ミュージックの不作状況の中にあっては、実はもっと取り上げられてもいい作品なんじゃないかな、と思っている。

(明山真吾)
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b-flower
/ Last Show of Winter (1993)

静かにして何もしない、冬の最後の雪。そして吹雪となりゆくこのドラマチックな展開はまさに孤高のb-flower。彼らはまぎれもなくロックバンドだ。でもただのロックバンドでもない。彼らの叩き出す音に私たちは風景を視覚する。なんて言っちゃってもうなづいてもらえるよねきっと。楡の木の森なんて見たことがなくっても。

(山内章子)

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Bruce Cockburn
/ High Winds, White Sky (1971)

夜のうちに降り積もった新雪、その静寂の中に一歩踏み出すような静謐な音楽。あるいは炬燵でミカンでもいいや、とにかくしんしんと雪は降り積もる。手の中にあるものを大切にして日々を積み上げて、心は静かに雪解けの日を待つ。春の訪れはそう遠くはないのだから。

 

(脇本壮二) 
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高橋幸宏  SARAVAH! 裏ジャケ.jpg

高橋ユキヒロ
/ SARAVAH! (1978)

冬のある日。マクラーレン『PARIS』と、ユキヒロ『サラヴァ!』裏ジャケットを並べて部屋に飾ってみる。

(明山真吾)

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Elliott Smith
/ from a basement on the hill (2004)

当時は賛否わかれた遺作。この寒々しい冬空の下で歌うような、そして仄かな暖かさのある姿こそが彼だと思う。

(後藤祐也)

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大江慎也
/ PECULIAR(1989)

ニューウェーヴ色の強いアルバム。"Get Happy"の心象風景は生々しく寒々しく胸が掻きむしられる。

(nee)

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Lou Reed
/ Rock And Roll Diary 1967-1980 (1980)

ベルベッツからソロ前期の代表曲(有名曲)が網羅されたルー・リード入門盤2枚組。

(八野英史)

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Ennio Morricone
/ OST Il Grande Silenzio (1968)

雪景色の異色マカロニウェスタン。キリリと冷気の漂うタイトル曲の美しさはさすがマエストロ・モリコーネ。

(山内章子)

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shinowa
/ Snow, Moon, Flowers (2017)

ダイヤモンドダストが宙を舞うような、凛としたきらめきと透明感あふれるシューゲイズポップ。

(446)

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Chvrches
/ Hansa Session (2018)

グラスゴー発エレポップバンドのアコースティックセッション。ボーカルと曲の良さが際立つ。

(高田博之)
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Fairground Attraction  The First of a Million Kisses .jpg

Fairground Attraction
/ The First of a Million Kisses (1988)

僕にとって彼らの存在が最初の道標となり得たのはとても幸せであったと思う、魅惑のアコースティックサウンド。

(高田博之)
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The Millennium
/ Begin (1968)

朝5時、冷んやりとした冬の、ベッドから起き上がらなくてもよい休日の朝、枕元のラジオから流れてきたら秀悦。

(高田博之)
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Teylor Swift
/ folklore (2020)

ロックダウンの奇跡。逆境を受け入れ、それをバネにしてさらなる高みへと昇華する。静寂と躍動が同居する、美しき現代のミューズ。(高田博之)
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ザ・ディランⅡ  きのうの思い出に別れをつげるんだもの.jpg

ザ・ディランⅡ/ きのうの思い出に別れをつげるんだもの (1972)

一聴してわかるタイトな録音は吉野金次氏によるもの。日本のザ・バンドと称される彼らの作品は冬の曇天がよく似合う。

(高田博之)
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吉田美奈子
/ 扉の冬 (1973)

「はっぴいえんど以降」そう考えると72、3年はターニングポイントの年で、終わりと始まりを感じる名盤が多い気がします。

(高田博之)
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細海魚
/ とこしえ (2014)

「冬に聴くアルバム」最高峰。冷たくて温かく、繊細で力強い。儚さと美しさ、夢と希望、孤独と静かなる情熱。

(高田博之)
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古明地洋哉
/ 夜の冒険者 (2004)

「言葉はもういらない/心を放つ銃が欲しい」…デビュー作『賛美歌』から一貫して、世界と繋がろうと切望しながらも繋がることのできない絶望を歌い続けてきたSSWの、現時点でのラストアルバム。この後にシングルを1枚出して以降、音源リリースは途絶えているが、ライブ活動は精力的に続け、この数年は新作を録音中とのこと。(後藤祐也)
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Veronica Falls
/ Veronica Falls (2011)

2010年頃に続々と現れたインディポップバンドの中でも、頭一つ抜きん出た存在感とセンスを感じさせたバンド。荒涼として冷たくて、ジャングリーでアンニュイで、何となく不穏な雰囲気を感じさせながら、でもどこかノスタルジックで愛おしい。この1stアルバムを始めほぼ全作品がモノクロジャケで、曇天の冬空を想起させる世界観。

(446)
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PIZZICATO FIVE
/ PIZZICATO FIVE (1998)

冬のある日。20世紀のポップミュージックに心動かされながら、ひとこと「ラヴ」ってつぶやいてみる。

(明山真吾)

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Tom McRae
/ Tom McRae (2000)

自己の心の奥に抱えた孤独感や怒りとの対話を重ねていくような、実に内省的で、暗く儚く、そして美しい13曲。

(後藤祐也)

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Corey Hart
/ Fields of Fire(1986)

当時の彼女に捧げられた"I Am By Your Side"は時を経て、雪をも溶かすようなトーチソングに昇華。

(nee)

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Weekend
/ Live at Ronnie Scott’s (1983)

発売当初、これを聴いてるってだけで イケてる感マシマシだった。それとは違う理由で今もよく聴く。

(八野英史)

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Thom Bell
/ Ready or Not (2020)

フィラデルフィア名アレンジャーのいい仕事集。熱すぎずクールすぎないソウル&ポップはソウル初心者にも◎。

(山内章子)

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The Clovers・Petersfield
/ SPLIT (2020)

どちらのバンドも切なさ全開。コートのポケットに手を突っ込み木枯らしの中を歩くモッズ女子が目に浮かぶ。

(446)

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Cowboy Junkies
/ The Trinity Session (1988)

極上の透明感。教会ライブレコーディングならではの臨場感と心地良さが堪能出来る。真夜中に聴くのが良い。

(高田博之)
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George Harrison
/ All Things Must Pass (1970)

近年着色されたジャケットも良いけど、オリジナルモノトーンジャケの方が内容の煌びやかさが映えると思います。

(高田博之)
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Nara Leão
/ Nara(1964)

美しきボサノヴァの女神。その凛とした佇まいと、白くゆらめく炎の様な歌声に心奪われてしまう、冬の朝。

(高田博之)
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the Style Council
/ Our Favourite Shop (1985)

ミックタルボットがオルガンを揺さぶった瞬間、僕の行く道は決まったのだ。そしてそれは今も続く。

(高田博之)
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チューリップ
/ THE LOVE MAP SHOP (1981)

財津和夫の作り出すメロディーは不思議とズシンと心に響く。日本が誇る素晴らしきメロディーメイカーのひとり。

(高田博之)
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金延幸子
/ み空 (1972)

深く降り積もった雪の中、微かな光りの射す方を目指すような、春を待ちわびる歌とギターの音色。

(高田博之)
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細野晴臣
/ HOSONO HOUSE (1973)

日本の名盤の影に多々現れる吉野金次氏はここでも。録音の気持ちよさは天下一品。そしてやはり「今日はうちでパーティー」これね。

(高田博之)apple / spotify

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Malcolm Mclaren
/ Paris(1994)

ロンドンのシーンを彩った伊達男が、少年時代に薫陶を受けたフランス文化へ原点回帰。ドヌーヴ、アルディなどのミューズを招きパリでレコーディング。憧れのグレコのために書き、ついに彼女に歌われることのなかった恋歌や、マイルス、ゲンスブールへの憧憬も随所に。1993年冬に仕上げられた、大人のためのアルバム。

(nee)
 

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細海魚
/ HOPE (2014)

寒い冬。凍える指先。朝も夜も、真夜中も。いつか通った道は、雪に閉ざされ、じっと耐える。記憶のなかに眠るあの風景。まだ若く、自由に、夢を見ていた若き日。いつしか朝を迎えても、まだ、夢の続きをみてるよう。そんなことを思い出してる。まだ春は先。

 

(高田博之)

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SHACK
/ ZILCH (1988)

冬のある日。もし何処かへ歩き出すのであれば、そのときのBGMはこんな瑞々しく青い音楽が相応しいと思う。

(明山真吾)

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コバルト
/ drawing no.6 (2004)

Elliott Smith的な冷たい冬の夜道を往く。その果てに見つけた定食屋の灯のような、彼自身の人柄を思わせる暖かさ。

(後藤祐也)

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V.A. / BORDER - A TRIBUTE TO MOTOHARU SANO(1996)

ハルフロムアポロ'69がクールに歌う、NYの街角の光景。b-flowerは「約束の橋」をカヴァー。

(nee)

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The Rolling Stones
/ Sticky Fingers (1971)

ストーンズは70年代が一番かっこよかったと僕は思う。BLACK&BLUEとか山羊の頭のスープとか。

(八野英史)
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Roger Nichols and Paul Williams
/ We've Only Just Begun (2012)

ポールウィリアムスとロジャーニコルス作詞作曲は鉄板ポップス。ちょっと暑苦しいボーカルも冬には暖かいね。

(山内章子)
 

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Vic Godard
/ Holiday Hymn (1985)

A面も勿論最高だけど、何と言ってもB面のチャーミングなスケートソング「Nice On The Ice」。

(446)

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Doris Troy  Doris Troy .jpg

Doris Troy
/ Doris Troy (1970)

寒い冬の日のジョギングにはうってつけの、アップルレーベル発、いかしたロックンソウル。

(高田博之)
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God Help The Girl
/ God Help The Girl (2009)

サントラも良いけど、オリジナルキャストによるオリジナルバージョンの美しさは唯一無二。

(高田博之)
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The Pains Of Being Pure At Heart
/ Higher Than The Stars (2009)

2010年代は間違いなく彼らの時代であった。そしてその記憶は決して消えることはない。

(高田博之)
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The Pastels
/ Different Drum (1990)

マイクネスミス作名曲の傑作カバー。我が道を行くことはお互いを認め合うこと、尊重しあうこと。

(高田博之)
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ブレッド&バター
/ Late Late Summer (1979)

夏の終わりのアルバムってのが正しい解釈ですが、極寒の冬に聴いたりすると、夏が恋しくてたまらなくなります。

(高田博之)
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V.A. / 古い船をいま、動かせるのは古い水夫じゃないだろう (1970)

50年前。若者の希望を託すうた。50年後、今、何が変わったというのか。白いこな雪、舞う空に向かって。

(高田博之)
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渡辺満里奈
/ Ring-a-Bel (1996)

大滝詠一プロデュース。ナイアガラ周辺の豪華作家陣も良いが、弦の心地良さがこのアルバムの最大の魅力。

(高田博之)
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The Sundays
/ can’t be sure (1989)

プログレバンドGentle GiantのRay Shulmanのプロデュースが素晴らしいデビュー12inch。彼はトラキャンのプロデュースもしてたね。僕はプログレが(曲が長いというのが主な理由で)苦手だけど、bファンには意外とプログレ好きも多いみたい。

 

(八野英史)
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The Sundays
/ Blind (1992)

冬の寒い朝、はーっと吐いてみる白い息。凍った路面から足を滑らせないように、一歩ずつ歩を進め、少しずつ走り出す。いつだって僕らは前を向く。古いやり方とさよならするために。イメージの世界はいつだって僕らの思い通り。冬へと走り出すか、否か。立ち止まるべきか、否か。さようならも言えずに。

(高田博之)
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