vol.1 stay (home) with me!
2020年。僕らが思い描いていた未来世界は予想だにせず、痛みに溢れた、苦しくて悲しい絶望的な世界になってしまった。ウイルスが蔓延し、世界が断絶されてしまうなんて、まさにSF世界のようなもの。夢も希望も、あの日の僕らの約束も、遠く果てしない彼方に、消えてしまったかのようだ。マスク越しのコミュニケーション。近くて遠い、君と僕の距離。それでも僕らは、今を生きている。絶望が支配するこの街の片隅に。
ステイホームな日常に潤いを与えるためのディスクガイド。君と僕の現実と妄想を繋ぎとめるための、消し去ることを必要としない98粒の星屑の瞬き。
記憶は音楽とともに、永遠となる。
The 5th Dimension
『The Age Of Aquarius』(1969)
輝く星座。混沌とした60年代末期を圧巻のコーラスワークで魅了した偉大なるグルーヴ。
(高田博之)
apple / Spotify
dip
『UNDERWATER』(2003)
海底に向かう潜水艇の如く、深く沈んでいくサイケデリック・サウンド。室内がダークブルーに包まれる。
(446)
INCENCE
『METEORITES』(1996)
暑くて溶けそうな夏に、水中を漂うような重だるい清涼感のあるノイズギターを、薄暗い部屋でダラダラと。
(446)
Michel Legrand
『Les Demoiselles De Rochefort』(1967)
華麗なるオーケストレイション。めくるめく躍動するルグランタッチの金字塔。2枚組盤でタップリ堪能するのがお勧め。
(高田博之)
Sakana Hosomi
『Mori And Ginga』(2020)
シリアポール
『夢で逢えたら』(1977)
アメリカンポップスへの愛情タップリ歌う甘くキュートなシリアポールの歌と類稀な大滝師匠のエスコート。
(高田博之)
Rima Kato
『sing-song』(2019)
繊細で温かみのあるアコースティックギターの調べと、叙情性豊かな優しきうた。ジャケットを手に取るだけで気持ちが安らぐ。(高田博之)
Salon Music
『O Boy』(1988)
頭の中にいつもかすかに流れるサウンドとボーカル。人生とは奇妙で、だからこそ愛おしい。
(Nee)
The Caraway
『The Selection Of Caraway』(2020)
Jan and Naomi
『YES』(2020)
とある夜。その部屋には、自分独りが、息してる。そんなとき、静かに、音楽を味わいたいなら、それはきっと彼らの音楽。
(明山真吾)
apple / Spotify
Stereolab『Cobra And Phases Group Play Voltage In The Milky Night』(1999)
b-flower
『ムクドリの眼をした少年』(1992)
いつかこのアルバムが再発される未来を信じたい。そうすれば世界はもっと生きやすくなるはず。
(高田博之)
Flashbeagle
soundtrack (1984)
ガラルディによる最高作はクリスマスサントラ。その対になるのはフラッシュビーグル!
(高田博之)
Livingstone Daisy『33 Minutes Before The Light』(2013)
Prince
『The Black Album』(1994)
密室感満載の巣ごもり超絶ファンクアルバム。殿下の偉大さは87年当時これをボツにしたところに尽きる。
(高田博之)
SIDE DISH
『BACKWARDS OR FORWARDS?』(1992)
朝なんて来なければいいと思っていた。昼夜逆転生活の真夜中から夜明けにかつて聴いたのを思い出す。
(446)